日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: I15
会議情報

防災
予測津波に対する海岸防災林による減衰効果の数値シミュレーション-北海道白糠町の例-
*佐藤 創野口 宏典鳥田 宏行真坂 一彦岩﨑 健太阿部 友幸
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 北海道では東日本大震災を教訓に海岸防災林を津波減災を目的に再整備しようという動きが始まっている。そのモデル事業地として白糠町の林帯(汀線方向の長さ700m,奥行き100m,汀線から最前線までの距離50m)が選ばれたことから,現状や林帯幅を拡張した際の津波氾濫流減衰効果を数値シミュレーションにより明らかにし,整備事業に役立てることを目的に研究を行った。
 林帯のほぼ中央に汀線と直角方向に幅10mの帯状区を設定し,毎木調査を行った。平均胸高直径は8.2cm,平均樹高は4.6m,立木密度2,800本/haでカシワ,トドマツ,グイマツ,ケヤマハンノキなどから成っていた。予測津波(L1)の高さは汀線で19.5mである。この高さになるように,単純な海底地形を仮定して津波を発生させた。津波氾濫流のシミュレーションには連続式と運動方程式から成る浅水方程式を用いた。条件は1.林帯がない場合,2.現状の林帯がある場合,3.内陸側に林帯を50m拡張した場合,4.同じく100m拡張した場合とした。
 汀線から250m地点における最大水深は1から4の順に15.3m,14.3m,14.1m,13.9m,最大線流量は順に70.7m3/m,57.3 m3/m,54.9 m3/m,52.6 m3/mとなった。

著者関連情報
© 2014 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top