日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: C02
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森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
放置林での保育作業による林内空間の変化と作業前後の気分、ストレス変化
*竹内 啓恵佐藤 明上原 巌
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抄録

  各地の農山村が過疎化し、逆に都市部に人口が集中する現在、人々と地域の森林との関わりはますます希薄になっている。それに比例して、間伐などの適切な管理がされず、放置されたままの状態である人工林も増えている。そこで、地域の森林に働きかけ、森林環境の健全化をはかるとともに、人間の心身の健康増進をはかることを目的とする森林療法を、山梨県大月市の放置針葉樹人工林(私有林)を利用し、2011年初夏から2012年秋まで毎月1回、計13回行った。被験者は、働く社会人11名(男性3名、女性8名)を対象に毎回、生理測定(唾液アミラーゼ・気分・血圧)→保育作業(間伐、玉伐り、枝払い作業など)→生理測定→リラクセーション→生理測定というプログラムを実施し、林内空間(林分密度・相対照度)の変化とともに、被験者のストレス変化と気分変化(活気、爽快感、いらだち感、緊張と興奮、疲労感、不安感、抑うつ感)を1名ずつ解析した。その結果、活動前後におけるストレス軽減では13名中1名に、気分評価の向上では9名に有意差がみられ、ストレスと気分評価の相関関係も示される結果となった。

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© 2013 日本森林学会
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