森林管理における重要な指標として立木密度がある。これは従来，地上調査によって計測されてきたが，広範囲の把握には多大な労力が掛かった。そのため，森林リモートセンシングを用いて立木の樹頂点を検出し，立木密度を推定する研究が多くなされてきた。樹頂点の検出研究方法としては航空写真を使用し，Template Matching法やLocal Maximum Filtering法を用いたものがあり，二つの方法を組合わせることで，検出精度の向上が図られている。この方法の精度は、調査対象となる林分の樹種や林齢などの影響を受けるが、その具体的な関係はよくわかっていない。そこで本研究では，この樹頂点の検出方法とその精度の因子となる対象林分の樹種や林齢などの関係を明らかにすることを目的とした。
 信州大学農学部構内演習林を調査対象地として、デジタル撮影(UTM)された航空写真を使用した。調査地はアカマツ、ヒノキなどが主体の人工林である。現地のデータとして現地調査から作成した立木位置図を使用した。この立木位置図と本研究で検出された樹頂点を比較し、樹種または林齢ごとに検出方法との関係を考察する。