日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: K13
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現場に役立つ森林教育研究―森林、教育
岩手県住田町の自然を活用したコミュニティ形成支援活動
*山本 清龍
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抄録

東日本大震災後の復興にむけてコミュニティの維持,形成は重要な課題の一つである。そこで,海に対する恐怖心を生起させないこと,被災した家屋を目の当たりにしないで済むこと,子どもたちを含め被災者が野外で運動,活動できる場が多くあること,自然空間が初めて会う人同士の会話の話題,きっかけを提供できることを理由に,岩手県の内陸部に位置する住田町の自然を活用して活動を展開することとした。活動は,住田町内で活動をする「すみた森の案内人組合」の活動と歩調を合わせた。2012年の活動では「春の散策イベント」の開催支援,の岩手県沿岸部被災小学校の宿泊研修の支援,秋の種山ウォーキングの開催支援等を実施した。住田町の復興支援活動の1年目は大学と地域の関係構築にも力点を置いて活動を展開してきた。その点では一定の成果があったと考えられるが,イベントに対する被災者の参加が少ないこと,現時点では研究意図を排除して活動を展開してことなど,活動の意義,効果については検証する必要がある。また,意味ある復興支援とするためにも森林科学や(環境)教育学,造園学など幅広い研究者,活動家が参加できる枠組みについても検討する必要がある。

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© 2013 日本森林学会
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