日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: P2027
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LANDSAT/TM多時期データによる戦場ヶ原湿原モニタリング
*松英 恵吾佐藤 匠佐藤 幸次郎内藤 健司
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抄録

 戦場ヶ原湿原は日光国立公園の特別保護地区であるが、乾燥化による森林化が進行しているといわれている。しかし、範囲が広域で特別保護地区であるために全体の現地調査が困難な状況である。本研究では、衛星リモートセンシングデータを用いて、湿原全域の状態把握と時間的変化のモニタリングを試みた。その際、中解像度衛星ながらこれまで長期の観測データを重ねてきたLANDSAT/TMのデータを有効に活用するために、データ間の輝度差調整、異なる季節が含まれる時系列データからの変化抽出手法を検討し解析を行った。本研究の解析結果より、湿原への土砂流入源で上流で開拓農地への取水が行われている逆川の扇状地先端部に顕著な乾燥化傾向が、また、東戦場と小田代ヶ原で多少ではあるが湿潤化の傾向が認められ、戦場ヶ原湿原の約15年間の時系列変化を抽出することができた。特に指標としてパターン展開係数が湿原のモニタリングに有効であること、主成分分析、CVAの組み合わせることにより多時期データから変化抽出が可能であることが明らかになった。

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© 2004 日本林学会
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