近年、市民による森林づくり活動が活発化する傾向を見せている。関岡は「市民参加による森林づくり活動と森林教育に関する一考察(__II__)ー活動参加者に対するアンケート調査の結果よりー」(1997.12、日本林学会論文集第108号)の中で、「市民による森林づくり活動を学習機会として見なすことが重要である」と提示した。市民による森林づくり活動を、森林や林業について学習する機会であると捉えれば、紙媒体テキスト(以後テキストと呼ぶ)は必要不可欠である。なぜならば、体験活動だけでは理解できないこともあるため、テキストは森林づくり活動に効果的であり必要であるからだ。黒羽は市民による森林づくり活動おけるテキストの活用状況とその内容について明らかにした。テキストの内容を検討することも大切だが、活動目的を達成させるためにはテキストの体裁の影響力も大きいと考えられる。デザインの分野からは、「読みやすさや理解のしやすさの観点から、見やすくする表現、わかりやすくする表現は重要である」と示唆されている。 本報告では、市民による森林づくり活動である「やま(森林)づくり塾」で用いられるテキストを取り上げ、テキスト体裁について若干の考察を行ったものである。