近年、放置され荒廃していく森林を、何とか市民の手で守ろうとする「市民による森林づくり活動」が活発となってきた。 関岡は、この市民による森林づくり活動を学習機会としてとらえた。市民に高い技術に支えられた労働力の提供を求めることは、自由意志によって支えられているこの活動では難しい。しかし、参加者自身の参加目的の如何にかかわらず、当該活動を森林や林業について学習する機会ととらえれば、間接的に、あるいは長期的に森林の管理や保全に関する理解者や担い手を養成できるのではないだろうか。 市民の森林づくり活動の中で必要とされるのは、参加者が活動内容の理解をできるようにすること及び、参加者への安全対策である。このような項目をクリアした上で、さらに参加者が自由に学習意欲を向上させ、その継続をはかるためには、体験活動のみでは不十分である。活動内容を補助するための座学や参加者の自主的な学習が必要となる。このようなことから、学習を補助する教材が必要である。こうした教材の必要性が、現在ある教材で機能しているかを、教材の使用状況、教材内容から検討する。 こうしたことから本報告では、教材の形態は多岐にわたるが、紙媒体の印刷物教材(印刷物教材をテキストと呼ぶ)に限定し検討をおこなった。