新たに開発した照明用高出力白色LEDに実施した、色度の寿命推定試験の結果について報告する。このLEDは、複数個でモジュール化して照明器具に組み込んだ際、100W形白熱灯器具相当の光出力を実現したものであるが、今回、湿度による色度変化の寿命推定を行った。 　点灯時は温度による劣化が支配的と考え、推定は非点灯を想定して行った。推定方法には、絶対水蒸気圧モデルを用いた加速劣化試験を適用した。色度が、人間の目で識別可能なほど変化した時を寿命Lとし、試験槽の温度と湿度を変化させて寿命になるまで試験を実施した。各試験の温度と湿度条件より、絶対水蒸気圧Vpを算出し、LとVpの関係を自然対数グラフにプロットした。その結果、データは直線で良く近似でき、標準使用条件の水蒸気圧領域への外挿によって、色度変化の寿命を推定できた。 　従ってこの寿命推定方法は、今回新たに開発したＬＥＤに対しても有効と分かった。また、このLEDは非点灯状態で、色度変化の寿命が10年以上あると分かった。