主催: 日本放射線影響学会
共催: 北九州市, 産業医科大学
低線量放射線の生物影響を科学的に理解することは、放射線影響研究において長年積み残されてきた重要課題の一つである。しかし生命科学およびコンピューター科学の分野で近年開発された新しい手法を用いることにより、低線量放射線の生物影響を明らかにすることは不可能でなくなってきた。このような背景の元で平成16年に開始された文部科学省原子力試験研究委託「低線量域放射線に特有な生体反応の多面的解析」は、今年で最終年度を迎え、その成果を学会および一般社会に問う時期に至った。本シンポジウムでは当プロジェクトのトピック的成果として「低線量率放射線長期連続照射マウスにおける遺伝子発現変動」について成果報告するとともに、環境科学技術研究所のDr. Ignacia B. Tanaka IIIに低線量率放射線長期連続照射マウスの病理学的解析等のご講演をいただき、現象の総合的な理解を試みる。また海外から3名の著名研究者をお招きして最新の研究成果をご紹介していただくことにより、低線量放射線影響研究の今後の方向性について議論する。