ある環境中で、異なる意思を持っている者同士が協力して作業するためには、互いのコミュニケーションが不可欠である。そのコミュニケーションは言葉でもよいし、自分自身の行動でもよい。お互いがコミュニケーションを通じで相手の意図を少しでもくみ取れることが重要なのであり、相手を理解することによって、自分や相手がどのような状況に置かれているのかが分かるからである。本稿では、コンピュータ内で2体のロボットを配置し、共通のタスクを遂行させることによって、ロボット自身が相手の信号と自分のセンサー入力の対応関係を見つけ、その対応関係を自分自身の「言語」として取り込む。お互いが自己の「言語」をやり取りすることによって状況を共有し、タスクを円滑に遂行できるようになることを示した。