我々の脳の働きである洞察や直感といった創造的認知過程を記述する数学モデルを提案する研究はほとんど行われていない.本論文で筆者は時間結合係数cと空間結合係数dを持つ新しいローレンツ・モデルを提案する.cとdから構成された興奮性結合行列と抑制性結合行列をもつこの時空間結合ローレンツ・モデルは3つの1次元情報コードを同期させた素子であり,cとdによってこのモデルに観測されるオンオフ間欠カオスを制御することができるが,cとdはモデルの内部ベクトルからは独立している.このモデルは創発過程を記述するための素子として使えることを示した.