曲面の平面展開は形状設計の重要な課題の1つである.適用範囲は広く,船体設計,パターンメーキング,プレスシミュレーション,自動車シート設計,3次元医用画像の仮想展開など多岐に及んでいる.一般に自由曲面は非可展面と呼ばれるように厳密には変形することなく平面に展開することは不可能である.そこで本研究では自由曲面をトラス構造体とみなし,有限要素法を用いて平面展開する手法について検討する.さらに展開した2次元形状を3次元トラス構造体に再構成することにより,ひずみの分布を視覚化し,定性的かつ定量的に評価することを目的とした.最後にシミュレーションとして,節点数330個のトラス構造体に対し,本手法を用いて平面展開した結果と従来の手法を用いて平面展開した結果(演算時間・精度など)について比較検討した.さらに展開した平面形状を3次元上に再構成し,ひずみの分布を求めることにより,本手法の有用性を示した.