日本鑛業會誌
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方解石、重晶石を伴ふ螢石の優先俘選
塚本 義郎
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1944 年 60 巻 711 号 p. 252-261

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抄録

螢石の石鹸浮選は今では大した問題でなく、各所に現場操業を行ひ今や、研究より實際の時代に移り、輕金屬の増産に寄與しつつあるも、螢石の脉石として屡々共生する方解石或は重晶石を伴ふ低品位螢石鑛の優先浮選は未だ解決せられてゐない。特に朝鮮方面に此種螢石の賦存の多い事を惟ふ時、將來の螢石増産と睨み、此種螢石の優先浮選の解決は急務であると信ず。
仍つて筆者は螢石鑛の普通の脉石である石英、方解石、及重晶石の螢石との本來の浮游度を研究し、次に之業有害脉石の抑制劑を探究し、結局、タンニン酸と共に重クロム酸加里或は硫酸満俺を併用するに依り、有効適切な優先浮選の可能であるといふ結論を得た。
本論文は以上の意味に於て目次に示す各章に從ひ遂次基礎的實驗を行び、其の結果を遂條的に説明し、結論に示すが如き考察を得たものである。

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© The Mining and Materials Processing Institute of Japan
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