九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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肩甲帯クロスバンド付胸腰椎軟性コルセットの紹介
*岩切 美智竹下 一幸清崎 智久相良 孝昭西谷 智和清水 雄二徳田 明人
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p. 110

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抄録

【はじめに】 通常のコルセットは、突き上げによる腋窩部痛や胸部の圧迫を訴える事が多く、自発的に中途半端な装着や装着拒否をする患者も少なくない。これらを改善する為、肩甲帯クロスバンド付胸腰椎軟性コルセット(以下、クロスバンド付コルセット)を製作した。【紹介】 クロスバンド付コルセットは、熊本市民病院・相良、清崎らが考案し、徳田義肢製作所の協力を得て修正・改良を加え製作された。【対象と方法】 15症例に処方され、全例に対し、〈1〉装着感〈2〉装着方法での問題点等を電話にて調査した。また、健常な女性を被験者とし、Th11からL2の屈曲角を【1】コルセット非装着【2】クロスバンド付コルセットにてクロスバンド装着【3】クロスバンド付コルセットにてクロスバンド非装着にてX‐P撮影を行った。【結果】 〈1〉2〉の問題点等について、腋窩部の圧迫があったとの回答が1例、また自己装着困難という回答は1例も無かった。 屈曲角は各条件下において【1】坐位25°、最大前屈位26°【2】坐位9°、最大前屈位10°【3】坐位14°、最大前屈位15°であった。【考察】 各条件で、坐位と最大前屈位の屈曲角の比較では、ほぼ同角度を示していた。つまり、坐位時には胸腰椎移行部は最大屈曲となり、坐位時すなわち静的姿勢での屈曲制限の重要性を示唆している。

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© 2003 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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