共催: 日本化学会, 有機合成化学協会(協賛)
高歪み三員環構造をもつシクロプロペンチオンやシクロプロぺニルカチオン類は、高い反応性を示すことから有機合成における有用な反応剤として期待されている。最近、我々はトリス(t-ブチルチオ)シクロプロペニルカチオン(1)の構造をX線結晶構造解析により明らかにした。また、塩基の存在下、1と2ーメチルピぺリジンの反応によりピロール誘導体が得られること、1と置換エチニルアニオンとの反応ではエチニルアレン誘導体5が得られること、さらに1から誘導されるシクロプロペンチオン誘導体とリチウムピロリジニドとを反応させたのち、ヨウ化メチルを反応させると、ピロール誘導体が得られることなどを見い出した。本研究では、これらの合成反応の特性と生成物の性質について報告する