共催: 日本化学会, 有機合成化学協会(協賛)
我々は先にMO計算と添加剤を用いた実験によってリチウム電池電解液の熱分解及び加水分解の反応機構について考察し、加水分解はリチウム塩のイオン会合の生成がトリガーとなって進行する可能性を示した。さらに混合溶媒系における伝導度,粘度,自己拡散係数,溶媒和数の測定やMO計算による分子論的考察を行い、イオンサイズが大きくなってもリチウム塩の解離度が大きくなれば導電率はそれに応じて高くなること、リチウム塩電解質は高い塩濃度まで解離度が下がらないこと、リチウムイオンの溶媒和構造が粘度に大きく影響することなどを明らかにした。 本研究では非水有機溶媒中における種々のリチウム塩の分子レベルでの動的挙動を理解する目的で,分子動力学法シミュレーションを行った結果について報告する。