主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
最近、我々は酸素架橋トリフェニルアミン(TOT)のラジカルカチオン臭化鉄塩が反強磁性体に相転移することを明らかにしている。本研究では、磁気的相互作用の次元性の増大を目指し、TOTの三つのフェニル基のパラ位にメチルチオ基を導入したTMTTOTラジカルカチオン臭化鉄塩を合成・単離し、磁気的挙動について検討を行った。化学的酸化により得られるTMTTOT・FeBr4塩は5 K でメタ磁性体へと磁気相転移することを明らかとした。構造と磁性の関係、およびその他のラジカルカチオン塩についても報告する。