p. 461-466
トラベルコスト法を適用した先行研究は、訪問者が広範囲に分布する比較的大規模なレクリエーション・サイトを分析したものが殆どである。これに対し、近隣住民のみがその便益を享受している身近なレクリエーション・サイトも数多く存在している。このような身近なサイトへの訪問は、その殆どが徒歩と考えられ、訪問者の選択はより地域的及び空間的な要因で決定されると考えられる。そこで、本研究では、大阪府の都市部に点在する整備ため池を対象に、周辺の地理情報から導出した詳細な空間情報を訪問の決定及び影響要因として利用することで、レクリエーション便益をより適切に評価できることを示す。