p. 275-278
平野部の農村の生物相の保全・回復に向け、平野水田のカエル類の分布状況から集居集落の生息パッチとしての生態的機能を考察した。新潟平野南部を事例調査地として、ベルト・トランセクト調査によりカエル類の平野水田への分布状況を把握した。その結果、ニホンアカガエルとシュレーゲルアオガエルの生息が、平野水田内に点在する集居集落近傍において複数箇所で確認された。この2種の生息に必要なまとまりのある草原・樹林環境を集居集落は提供してきたものと推察され、集居集落が両種の生息パッチとして機能してきたことが示された。