p. 67-72
本研究は、滋賀県愛東町「あいとうイエロー菜の花エコプロジェクト」を対象事例として、企業経営指標を用い、循環型地域システムの利益配分構造と価値創造の構造についての実態解明を行った。その結果、物質や関与者の関係では判明できなかった構造として、循環型地域システムが、事業、協働及び支援ベースの連携構造をもち、投下した資本が直接的には回収はされていないことが判明した。更に、本プロジェクトは、先進的かつ独自性をもったシステムとして喧伝されることより、地域での売上増加、清掃費の減少などの付加価値が創造されているシステムであり、その価値はシステム関与者全員に配分されていることが明らかになった。