主催: 一般社団法人映像情報メディア学会
群衆の動きに対する研究は,古くは人間の認知に関する研究から始まり,今日に至るまで発展を続けてきている.群衆の動きを自動生成するモデルに対する需要は幅広く,娯楽志向のものに目を向けると,多様なシーンに対して,尤もらしい人の動きを高速に計算できるモデルが求められている.本稿では,リアルタイム性が必要となる状況下で,人の動きに関してユーザが満足できる品質を達成するため,カット割りができない状況でも,シーンを占める群衆の密集度が大幅に変化しても,頑健かつ高速な動作を保証できる,群衆移動のモデルを提案する.このモデルでは,個人としての人の動きだけではなく,近しい関係の人によって形成される,2〜3人の小集団の動きも扱うことで,より尤もらしい群衆移動を自動生成する.