近年,持ち運び可能な小型プロジェクタが登場し,プロジェクタの利用環境が急速に多様化している.壁面などのスクリーン以外の場所にプロジェクタを用いて映像を投影する場合,投影面の色や反射率の違いが投影映像に大きな影響を与えることが問題となる.そこで本研究では,投影環境が動的に変化する状況を想定し,Projector-Camera Systemを用いた動的輝度補正を提案する.本提案では,従来の輝度補正手法において必要とされる投影対象の反射率やプロジェクタの応答関数の事前計測を必要とせず,実際に投影された映像をカメラで観測した結果から,補正画素値を高速に推定する.またこれにより,投影対象が動いたり,他の物体によって遮られたりする状況においても,その変化に即座に対応して輝度補正を実現する.