日本歯科保存学雑誌
Online ISSN : 2188-0808
Print ISSN : 0387-2343
ISSN-L : 0387-2343
原著
プロテーパー・ユニバーサルによるクラウンダウン根管形成の評価
永井 旺介上田 剛史上島 茂明榎本 光夫大濱 美穂荻野 志保徳永 幸世平嶺 倫子武藤 徳子長谷 徹石井 信之
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 52 巻 6 号 p. 513-518

詳細
抄録

この研究では新しい世代のNi-Ti rotary instrumentであるプロテーパーの根管形成効果について,S字形の湾曲を有する規格透明プラスチック根管模型を使用して検討を行った.S字形根管は回転数とトルクを調整可能な低回転のエンジンX-Smartにプロテーパーを装着して形成された.根管は#15のKファイルで穿通後,SX,S1,S2およびF1の4種類のファイルにて形成された.60本の根管がプロテーパーの使用経験のない,6名の術者によって形成された.根管壁の削除量は術前,術後それぞれの画像を実体顕微鏡からコンピューターに取り込み計測を行った.根管形成が終了するまでの時間も計測した.歯冠側および根尖側の湾曲の内側がそれぞれ湾曲の外側より多く削除され,根管は滑らかなフレアー状に形成された.形成本数が増加するに従い,形成に要する時間は順次減少し,5根管形成後の形成時間はほぼ5分程度にまとまった.ファイルの破折は5根管に起き,レッジの形成も5根管にみられた.プロテーパーは初心者においてもS字状根管を形成するには適切であると考えられた.

著者関連情報
© 2009 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
前の記事 次の記事
feedback
Top