2008 年 77 巻 3 号 p. 306-310
共鳴トンネルダイオードの超高速スイッチ機能を利用した全差動型MOBILEコンパレータ,およびそのギガヘルツ帯アナログ/デジタル変換器(A/D変換器)への応用の可能性について述べる.A/D変換器としては,HEMT積分器と組み合わせた2次連続時間型ΔΣ 変調器を対象として,トランジスタレベルの回路シミュレーションにより動作速度と分解能(信号対雑音比)を評価した.基本的なローパス1bit型ΔΣ 変調器のほかに,近年注目されている多ビット型,バンドパス型についても考察し,従来型 DR 変調器を凌駕する高性能化が達成できる見通しを得た.