西日本畜産学会報
Online ISSN : 1884-6394
Print ISSN : 0914-3459
ISSN-L : 0914-3459
肥育牛の間欠給与方式に関する試験
藤島 直樹高椋 久次郎上野 繁菅 亨古賀 儀保西田 晴二須永 武国広 英文
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 22 巻 p. 16-19

詳細
抄録

乳用種去勢牛24頭を用い, 濃厚飼料および稲ワラの間欠給与方式により肥育試験し, 次の結果を得た。
1.1日当り増体量はA2>A1>B1>B2>C1>C2区の順となり, C群は発育の遅れが顕著であった。
2.1日当り濃厚飼料の摂取量は, 間欠の度合が多いほど少なかったが, 給与日の1日当り摂取量は逆の結果を示し, B, C群は過食の傾向を示したために制限した。
3.濃厚飼料に対する稲ワラの割合は, A1区5.2~C2区34.5%であり, A2区は13.2%, 粗繊維率6.2%となり, 過去における適正給与割合を示した。
4.と体成績ではC群は枝肉歩留が悪く, 内臓脂肪, 背脂肪がうすかった。
5.鼓脹症はA2, B2, C2区ではほとんど認められなかったが, A1, B1, C1区では発生率が高かった。
6.尿石症はNH4OH検査で, 濃厚飼料の摂取量の多い区ほど, 陽性率が高かった。
7.胃汁は各区とも濃厚飼料給与日には, pHの低下, VFA濃度およびプロピオン酸の増加が認められ, 一方濃厚飼料無給与日にはpHの上昇と, VFA総量の低下をきたし, それが試験終了まで繰り返えされた。
8.R・Pスコアは濃厚飼料間欠日の少ない区ほど高く, 変状が多かった。
9.肥育差益はA2区が最も良かった。
10.以上の結果, 濃厚飼料・粗飼料ともに不断給餌で, 濃厚飼料の間欠日を1週間に1日とする方法 (A2区) が, 発育が良く, 疾病の発生率も少なく, 推奨すべき飼養法である。

著者関連情報
© 日本暖地畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top