日本海水学会誌
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濃度差発電用4分割型浸透装置の開発
本多 武夫
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1989 年 42 巻 5 号 p. 233-240

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抄録

浸透圧利用濃度差発電によって, 海水と河川水の濃度差から正味出力を取り出すため, 陸上設置加圧型の場合の最適供給率xを求めた.その実現に必要な最低流速を得るために中空繊維型浸透装置の塩水側流路に仕切を設けることにした.設計計算には, 膜内濃度分極を考慮した浸透式や浸透装置の寸法, 構造, 圧力損失等の計算式を用い, 円筒容器の寸法と塩水側平均流速および区分数との関係を求めた.実験室での取扱を考え5130型の円筒容器で中空繊維状半透膜外側の塩水側流路を4分割とした浸透装置を試作した.発電模擬実験の結果, 供給率が設計値と近い条件で正味最大出力が得られることが確認できた.これは, 仕切が予想どおりの働きをしたことと, 圧力損失が少なかったことによる.今後は, 供給率が大きくできるシステムや膜内濃度分極が大きくならない半透膜の開発と, より大型の浸透装置の検討が重要である.

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