日本海水学会誌
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NaCl-KCl-MgCl2-CaCl2-H2O系の塩化ナトリウム晶出領域の塩濃度 (その1)
本山 正夫門田 稔岡 俊平
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1972 年 26 巻 1 号 p. 16-20

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抄録

NaCl-KCl-H2O系, NaCl-MgCl2-H2O系およびNaCl-CaCl2-H2O系の各3成分系における25℃での塩化ナトリウム溶解度のデータからNaCl-KCl-MgCl2-CaCl2-H2O系5成分系の塩化ナトリウム晶出領域の溶液の塩濃度 (g/100g溶液) を推算する次の近似式を導いた. NaCl=26.43-104.0 (n-3.45n3.33)(I) KCl=195.7nx/x+2.06y+1.76z (II) CaCl2=195.7ny/x+2.06y+1.76z (III) CaCl=195.7nz/x+2.06y+1.76z (IV) ここでnは溶液100gに対する補正した塩化カリウム, 塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムのモル数の和, すなわちn=[0.762K2Cl2+MgCl2+CaCl2] mol/100g溶液, x, y, zは塩化カリウムと塩化マグネシウムと塩化カルシウムの重量分率である. 塩化カリウム, 塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムの含有重量比が約3:1:1, 1:3:1および1:1:3の各溶液について (I)-(IV) 式から計算した塩濃度は, 塩化ナトリウムについては±0.15wt%, 他の塩については±0.03wt%の誤差内で測定値と一致した.

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