2007年9~10月に, 北海道内のネギ主要産地4支庁管内3市3町内のネギ栽培32圃場において, 葉枯病の発生量を病徴別に調査した. 調査した全圃場において, 褐色楕円形病斑および黄色斑紋病斑発生が認められ, 本病が全道的に発生している実態が明らかとなった. 褐色楕円形病斑が葉身先端部に発生し, 葉先枯れ症状を呈する株が全圃場で認められ, 発病株率は45.0~100%であった. 褐色楕円形病斑は, 葉身中央部にも発生し, 発病度は0~46.9であった. 本病斑と黒斑病を病徴で区別することはできなかったが, 118病斑を採取し顕微鏡観察により識別した結果, 116病斑が葉枯病であり, 黒斑病はわずか2病斑であり, 葉枯病が優占している実態が明らかとなった. 黄色斑紋病斑発病度は3.1~61.3であり, 発生が目立っ指数3以上の株の割合が10%を越えた圃場は32圃場中11圃場であった.