2009 年 2009 巻 60 号 p. 35-40
コムギ赤かび病防除薬剤7 種のデオキシニバレノール(DON)汚染低減効果を検証した.メトコナゾール乳剤(1,000 倍,1,500 倍),テブコナゾール水和剤(2,000 倍)およびチオファネートメチル水和剤(1,500 倍)は,赤かび粒率,粒厚2.2mm 以上の粒全体(全粒)のDON 汚染および2.2mm 以上粒から赤かび粒を除いた外観上健全な粒(外観健全粒)のDON 汚染のいずれに対しても安定して高い低減効果を示し,イミノクタジン酢酸塩液剤(1,000 倍)もこれらに次いでDON 汚染低減効果が高かった.一方,クレソキシムメチル水和剤(2,000 倍,3,000 倍),プロピコナゾール乳剤(1,000 倍,2,000 倍)およびアゾキシストロビン水和剤(2,000 倍)は,赤かび病発病抑制に対する防除効果とDON 汚染低減効果が一致せず,発病小穂率に対する防除価に比べ,全粒および外観健全粒のDON 汚染に対する防除価が劣る傾向を示し,後者の低減効果が特に低かった.