北日本病害虫研究会報
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リンゴすす斑病に対する8 月下旬に散布した各種薬剤の残効性
猫塚 修一
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2009 年 2009 巻 60 号 p. 130-133

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抄録

リンゴすす斑病を主防除対象とした9 月の薬剤散布の省略を目的に,残効性が長い殺菌剤を選抜するとともに,これらを8 月下旬の最終散布剤とし9 月を無防除とした場合の防除効果を検討した.各種薬剤を8 月下旬に散布し,散布直後から果実を一定期間のみ自然感染させた曝露試験において,トリフロキシストロビン水和剤(Tri)およびイミノクタジン酢酸塩液剤(Imi)は,対照のフルオルイミド水和剤(Flu)に比べて,約3 週間の曝露でも果実の発病程度が低かった.特にTri の発病程度は約4 週間の曝露でも同様であった.8 月下旬の最終散布剤としてTri およびImi を使用した圃場での防除試験においても,対照のFlu に比べて防除効果が優れていた.以上から,残効性が長いTri またはImiを8 月下旬に散布することにより9 月の薬剤散布回数を従来より削減できる可能性が示唆された.

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© 2009 北日本病害虫研究会
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