産婦人科の進歩
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性周期調節機序と脳内カテコールアミンの意義
杉本 乾治
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1971 年 23 巻 3 号 p. 187-195

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抄録

性周期の脳下垂体G分泌による調節機序を明らかにせんとして, 腟内容塗沫標本, 脳内CA測定によるその変動, DOPA, nialamide等の投与による脳下垂体内および血清中FSH, LHの変動, 脳下垂体incubation実験等を行なった結果, (1)脳内CA濃度の変動が, ラット性周期に重要な影響を与えること. (2)in vivoに投与したDOPAは, 脳内dopamineを増量させるとともに, 脳下乖体G分泌は促進されること. (3)incubation実験において, GRFの存在で, DOPAあるいはdopamine添加で, medium内FSHおよびLHはともに有意に増加することを知った. これらのことから, 性周期調節をつかさどる脳下垂体G(FSH, LH)の産生と放出示序には視床下部GRFを介しての脳内CA代謝と密接な関係を示すことが究明された.

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