杏林医学会雑誌
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印欧比較言語学から見た医学英語
野口 宏
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1982 年 13 巻 1 号 p. 13-23

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抄録

医学英語を語源的に研究する場合, ギリシャ語・ラテン語の範囲内だけで語源を論ずるのが従来の傾向であった。筆者は印欧比較言語学の成果に立脚して, 医学英語の語源論の幅を広げようと試みた。すなわち, ギリシャ語・ラテン語系とゲルマン語系の両方にまたがる同族語を印欧諸語対応の音法則にもとづいて比較研究することによって, 医学英語の知識を根源的な視点から補強し深化しようとしたものである。筆者がさきに発表した「医学英語をもとにした印欧比較語彙論」では, ギリシャ語・ラテン語系とゲルマン語系とで, 子音対応の仕方が違わないm, n, 1, rの分野, また, あまり違わないw, yの分野に属する用語は, これを取り上げなかった。本論は, これらの主な用語を, 中心として取り, 扱ったものである。

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© 1982 杏林医学会
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