杏林医学会雑誌
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副腎髄質および末梢交感神経系の副腎皮質機能に及ぼす影響と様式に関する薬理学的研究 (1)
鎌田 邦栄
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1980 年 11 巻 4 号 p. 343-352

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抄録

副腎髄質摘出ラット(ADMxラット)及び末梢交感神経系遮断ADMxラットの副腎・血中コルチコステロン(B)測定により, その基礎分泌レベル, 日内変動並びにストレス負荷時の副腎皮質機能変化の様相を検索した。ADMxラット及び末梢性に6-hydroxydopamine, guanethidine投与を行って末梢交感遮断したラットのいづれにおいても, 副腎・血中B基礎レベルの変化が認められなかったし, 亦血中Bレベルの日内変動も変化しなかった。しかし, ADMxラットに夫々程度の異った3種類のストレス負荷を行った場合, 血中・副腎Bレベル上昇は対照ラットにくらべ有意に低かった。ところがADMxラットに末梢交感遮断を行うと, ストレス負荷時のBレベル上昇は対照ラットに近く上昇した。これらの結果は, ラットの末梢交感神経機能が, 体液性又は神経性に視床下部-下垂体系機能に上行性影響を及ぼしている事を示していた。

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© 1980 杏林医学会
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