一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 2J-05
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口頭発表 5月27日 被服
自動採寸機能の改良を目指した3次元計測の計測誤差の検討
*渡邊 敬子
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キーワード: 3次元計測, 誤差, 型紙設計
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抄録

s目的:三次元計測から自動採寸される値は、JIS-L0111と同じ項目名であっても値が異なる。衣服設計用の手計測に近い値が算出できるよう、本研究では、現状の自動採寸と手計測の値の関係や誤差の原因を究明した。方法: 男女1057名を対象に手計測と浜松ホトニクス社製BLSでISOに準じた上肢20度外転・20cm開脚姿勢と立位正常姿勢の三次元計測を行った。20から50歳代の各年代の男女10名、計80名を体格(BMI)に配慮して選出し、解析した。解析ソフトBLMでランドマークを手計測の基準点と合わせ、これに基づいて自動採寸で高さ、周径、体表長、シルエット長を算出した。この値と手計測の値の差を比較・検討した。 結果: 高さ項目での差は他の項目と比較して相対的に小さいが、体幹部に比べ肩部での差が大きかった。腰囲や肩部の誤差は、開脚や腕の外転による影響と考えられた。股上前後長や腕付け根囲の差は、腋下や股下のデータの欠損と自動補間のためと考えられた。ウエストから股の高さまでの前後の体表長と股下の直線距離の3か所に分けて採寸した結果、手計測との差は自動採寸の平均22.5mm(S.D.16.4mm)から4.8mm(12.8mm)に減少した。腕付根囲でも55.6mm(25.8mm)から-0.1mm(7.4mm)になった。股の高さや腕付根の高さを利用して補完・採寸するシステムを作ることで、誤差が改善できる。乳頭位や上部胸囲は、腕を含んだ周径となることがある。水平断面の形状を自動で判断して、体表長と補間を組み合わせて周長を算出することで誤差を改善できる。

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