一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 2F-03
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口頭発表 5月27日 住居
生活利便性の低いH地区における高齢者の外出行動の量的把握
*竹原 広実
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キーワード: 高齢者, 外出行動, GPS
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抄録

目的 高齢者が地域で自立し社会との関わりをもち健やかに暮らすことができることは、活力に満ちた地域社会の実現につながる。そのためには個人の生活習慣としての身体活動の活発化と同時に個人では解決できない生活環境の整備が重要である。著者は高齢者の身体活動量に寄与する外出1)を取り上げ外出を妨げない地域住環境のあり方を提言するための基礎資料として高齢者の外出実態についてGPS端末を用い量的に把握してきた2)。本研究は対象地を変え引き続き実施したもので利便性が低い地域で行った。方法 対象地は福島県H市、総人口は約3万人、高齢化率は24.8%(H27.1月現在)である。当地区在住の健康で自立した生活を送る家事担当の高齢女性10名を被験者とした。被験者は外出の際にGPS端末を携帯し外出に関する行動内容を記録紙に自身が記録する。実験は普段の生活の1~2日間とした。平成28年8月~10月に実施した。参考として京都市在住の女子大生3名についても行った。結果 外出を必要、任意、社会活動に分類し検討した。必要活動(18件)は移動距離10 km以上が11件と遠方ですべて車を利用、任意活動(24件)は5 km以内で徒歩が17件と多数であった。任意活動が自宅近辺で活発なことや必要活動で車依存が高いことはこれまでの過疎地と類似し、利便性の高い地域とは相反する結果である。[文献]1)竹原広実、梁瀬度子:日常生活における高齢女性の生活行動と身体活動量に影響を及ぼす要因,日本家政学会誌No.60-11,p937-944(2009) 2)竹原広実:地域の生活利便性と高齢者の外出行動実態,日本建築学会2016年度大会環境工学Ⅰ,p93-96(2016)

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© 2017 一般社団法人 日本家政学会
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