一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 3D-4
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金属アレルギーに関する調査
*服部 富久美山口 さやか後藤 晃希成瀬 正春服部 正巳
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抄録

[目的]私たちの生活環境中の金属は近年著しく種類も量も増加している。接触アレルゲンとしての金属の中で感作率の高い元素はニッケル、クロム、コバルトである。これらの金属は我々の日常生活の中であらゆるところに使用されている。特に女性のブラジャーにこの種の金属が使用されている。そこで、今回質問紙調査法により、成人女性の金属アレルギーに対する認識度や実際の病態を解明することを目的として調査した。
[方法]調査対象者は学部学生と大学院生で614名である。調査項目はブラジャー装着による症状の出現の有無、部位、医者での治療経験、市販薬の購入、アクセサリー装着時のかゆみの出現、アクセサリーの材質などである。アンケート結果の処理はSPSS統計ソフトを使用しχ2検定を行った。
[結果及び考察]ブラジャー装着時のかゆみについての経験者は47.6%で、部位別では乳房の周囲が最も多く26.7%で、ついで乳房間、背部、側面体側となった。また、金属アレルギーという疾患を認識している者は97.6%と高い値を示し、金属アレルギーは一般的な疾患になってきているといえる。しかし、ブラジャーに使用されている金属ワイヤーでも症状が発現することを認識していた者は23.5%と少なかった。一般的には金属アレルギーの症状は装飾品等のように直接皮膚に接触した場合のみ起こると誤解していると推察されるので、今後はブラジャーに使用されている金属によっても金属アレルギー症状が出現するということを啓蒙する必要があると考える。また、ブラジャーに使用されているワイヤーの材質についても明示するようにメーカーに働きかける必要があると思われる

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© 2010 一般社団法人 日本家政学会
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