一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 2P-3
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保育園児の家庭における食費と食生活
*米田 寿子立松 麻衣子屋代 彰子
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抄録

目 的  格差社会の拡大に伴って、子育て世代の生活には、経済的格差による様々な問題が内在している。本研究では、保育園児のいる家庭における食費と食生活の実態を把握することで、経済状態に応じた「豊かな」食生活を実現することの方策を考えることにした。
方 法  調査方法は福岡県内保育園児保護者217名に質問紙法による留置法で実施した。調査項目は家族属性と就労状況、1ヶ月の食費とその利用内訳、料理に関する実態など16項目である。集計は回収数171部の内、有効回答数157部(有効回答率73.3%)の単純集計およびクロス集計を行い、カイ二乗検定により有意差検定を行った。
結 果  回答者は95%が女性で、30~40歳が61%、就労者は約80%、4~5日の勤務が67%である。一ヶ月の食費は4~5万円が25%で最も多く、家族数の増加と関連が見られる。またその内訳は、内食費としての支出が6割以上の家庭は84%で、内食費の割合が高くなるに伴い、中食費・外食費への支出は低い。食生活において困っていることは、料理のレパートリーが少ないが52%で最も多く、次いで料理の時間がない41%、食材が高い28%、家族の好みが異なる23%であった。食費が内食費に多く支出されている実態から、就労と両立できる食生活を営むための、調理技術の伝承や調理簡便化のレシピ提供などが求められていると考える。

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