一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 3J-7
会議情報

ベビーカー利用者の視点から見た公共交通機関のバリアフリーに関する研究
*西本 由紀子荒川 真衣上野 勝代梶木 典子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】バリアフリー新法が平成18年12月より施行され、公共交通機関におけるバリアフリー対策が進んでいる。その対象は高齢者・障害者等でありベビーカーでの子連れ(以下、ベビーカー利用者)は対象とされていない。しかしながら、実際にはベビーカー利用者は同様に行動制限を受けており、日常的な外出に支障をきたしている。事前のヒアリング調査でもベビーカー利用者の公共交通機関利用に対する消極的な意見が多く聞かれた。そこで本研究の目的はその理由を探り、今後の対策の基礎資料を作成することを目標とする。このことは同時に子育て支援対策にも意義があると考えられる。 【方法】➀神戸市内の区役所で実施される4か月、1歳半健診で乳幼児保護者に対し、公共交通機関でのベビーカー利用実態についてのアンケート調査を行った。➁神戸市内の公共交通機関内において、ベビーカー利用者の観察調査、ベビーカー利用被験者による行動調査を行った。いずれも実施期間は、2008年10月~2009年2月である。 【結果】ベビーカー利用者は、比較的混雑の少ない10時~16時に集中して公共交通機関を利用しており、常に周囲の視線を気にしている。電車車両内では、乗降扉付近に立ったままベビーカーを支えていることが多い。神戸市バスのノンステップバスなどでは、車イスと同様、ベビーカー設置スペースが設けられているが、そのことはあまり周知されておらず、利用したことがある例はわずかであった。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top