一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
60回大会(2008年)
セッションID: 3P8
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3日目ポスター発表
山梨県中学校家庭科における調理実習に関する調査
井上 由美子*時友 裕紀子
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キーワード: 家庭科, 調理実習, 中学校
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抄録

目的 学習指導要領の改訂作業が進む現在、中学生が食について関心を持ち、実践的な能力を身につけ、将来にわたって豊かで健康的な食生活を送るための授業は、家庭科の教師にとって常に変わりない目標である。少ない授業時間数や生徒の未熟な生活体験等、様々な課題があるなかで、中学校家庭科における調理実習の実態と教師の取り組みを調査し、今後のよりよい授業実践を考えることを目的とした。
方法 山梨県内の国公私立中学校計101校の家庭科教員を調査対象とした。2007年11月~12月にかけて、調査用紙を郵送し、47校(回収率46_%_)より回答を得た。調査の項目は、家庭科食生活領域を学習する学年と内容及び授業時数、調理実習の回数、実習題材、題材の選択理由、調理実習の目的、教科書の実習例以外に行っている実習例、調理実習を行う上での各教員の工夫等、である。
結果 食生活領域の学習状況では必須分野の学習が1,2年次で行われている傾向が強かった。調理実習は、3年間で平均5回行われ、教科書に示された肉・魚・野菜の基本的な食品の調理例を採用、実施している学校が多かった。「肉の調理」が最も多く、1年次に行われる傾向が見られた。一方、「魚の調理」は2年次に行われる傾向があった。実習題材を選択する理由は「生徒が取り組みやすい」「生徒の好みにあっている」が多かった。全体として教科書をもとに指導を行っている学校が多く、一方、独自の調理実習題材を設定している学校もあり、山梨県の郷土料理「ほうとう」の調理の採用が多くみられた。生徒や学校・地域等の実態にあった独自の題材を設定することは、数少ない実習の時間の中で重要と考えられた。

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© 2008 一般社団法人 日本家政学会
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