一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
60回大会(2008年)
セッションID: 3E7
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3日目口頭発表
環境共生住宅における快適性評価に関する研究
-SD法による快適条件の季節変化について-
*安岡 絢子久保 博子磯田 憲生木村 文雄
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キーワード: 環境共生, 快適性評価, SD法
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抄録

目的本研究は環境共生住宅をモデルに屋内に取り入れられた自然環境要素が快適性評価にどのように影響するかを生理・心理評価から明らかにすることを目的とした。本報では特に心理評価から快適条件の季節変化について検討した。
方法健康な女子大生20名を対象に環境共生住宅内の4ヶ所(1、2F縁側、1F居間、2F子ども部屋)で07年8月~08年1月の期間の5回にわたり朝(10~12時)・昼(13~15時)・晩(18~20時、冬は15~17時) の各60分間(30分×2)の時間帯で行った。調査項目は温湿度・気流・放射熱・照度等の実測と皮膚温・心拍等の生理量測定、心理評価として温冷感や快適感、SD法による環境や場の総合評価等に関するアンケートを用いた。さらに気流速度と快適性の関連を明らかにするため気流評価も行った。
結果自然環境のみを用いたため場所により環境条件は異なった。快適と評価される場所は季節、時間帯で変化するが、不快と評価される場所は季節で異なるものの、季節内の時間帯による違いはほとんど見られなかった。季節ごとでは[夏(8・9月)]は「開放的」「明るい」場所が快適で、「べたべたした」「暑い」場所が不快であった。一方「開放的」で「暑い」場所は、不快評価の場所に比べ快適評価であったことから、環境要素だけでなく場の雰囲気が快適評価に影響した可能性も窺えた。[秋(10・11月)]は時間の経過に伴い場所ごとの評価差は小さくなったが「居心地の良い」「開放的」な場所が快適、「涼しい」場所が不快であった。「冬(1月)」は日射が強く、「明るい」「暖かい」場所が快適で、日射が弱く、「暗い」「寒い」場所が不快であった。季節や時間帯による環境変化が場所の評価に影響したと考えられる。

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© 2008 一般社団法人 日本家政学会
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