日本家政学会誌
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ブラマンジェ様澱粉ゲルの物性および官能評価に及ぼす大豆タンパク質添加の影響 (第2報)
ココア, 抹茶添加の効果
平尾 和子渡辺 篤二高橋 節子
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2003 年 54 巻 6 号 p. 469-476

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抄録

サゴ,とうもろこしおよび馬鈴薯澱粉に分離大豆タンパク質 (SPI) および粉末豆乳 (SMP) を用いてココア, 抹茶ブラマンジェを想定したゲルを調製した.ココア, 抹茶の添加効果をアミログラフによる粘度, ゲルのテクスチャー, 保型性ならびに官能評価により検討した.
1) SPIまたはSMPを添加した馬鈴薯澱粉ゲルにココア, 抹茶を添加した場合, 添加濃度を増すに従い, 保型性は増加した.また, SPI添加ゲルの保型性はSMP添加ゲルに比べて大きかった.
2) 官能評価からSPIまたはSMPを添加したゲルはココアは15W/w%, 抹茶は5w/w%の添加濃度が好まれた.またSPI, SMPを添加したいずれの澱粉ゲルにおいても, ココア, 抹茶の添加により, 味, 滑らかさ, 硬さ, 総合評価の点で好まれた.
3) ココア, 抹茶添加は無添加に比べて, SPIまたはSMPを添加したいずれの澱粉においても, アミログラフにおける最高粘度, 冷却25℃の粘度が高くなった.
4) ココア, 抹茶の添加はSPIまたはSMPを添加したいずれの澱粉ゲルにおいても, 硬さ, 凝集性, 保型性は増加した.これらのテクスチャー特性値はSPIを添加したゲルで大であった.
5) サゴ澱粉ゲルの圧縮脱水率は他の澱粉ゲルに比べて, いずれの大豆タンパク質, ココア, 抹茶の添加においても少なかった.またココアを添加したSMP澱粉ゲルはいずれの澱粉ともに圧縮脱水率は低下した.

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