日本家政学会誌
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特定用途米の粥状炊飯への応用
浜田 陽子綾部 園子畑江 敬子島田 淳子貝沼 やす子
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1994 年 45 巻 9 号 p. 803-810

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抄録

特定用途米のホシユタカ,サリークィーン,オオチカラ,タカナリ,北海269号および通常米のコシヒカリを加水量の多炊飯,すなわち粥状に炊飯した場合の調理特性について検討を行った.
結果は次のとおりである.
1) 加熱に伴う重量増加は, サリークィーン, コシヒカリで著しく, タカナリ, 北海269号, オオチカラは小さく, ホシユタカは中間的な状態であった.
2) 加熱に伴う飯部の割合はサリークィーン, コシヒカリで著しく増加し, 加熱40分で100%であった.他の4品種は加熱40分で80%前後の値であり, 液部を20%残す炊き上がりであった.
3) 加熱により飯粒は長軸方向への伸びを大きくしながら加熱40分までは縦横に膨潤した.加熱60分になるとコシヒカリ, サリークィーン, ホシユタカでは著しい崩れが起こった.
4) 粥状に炊飯した場合のテクスチャーの変化は品種によって異なった.サリークィーン, コシヒカリは軟らかくて粘りがあり, オオチカラ, タカナリおよび北海269号は軟化が遅く粘りも少なく, ホシユタカは軟化はするが粘りのでない品種であった.
5) 加熱40分の粥状試料の食味は軟らかくて粘りがあり飯粒感もあるコシヒカリと硬くて粘りは少ないが飯粒感がはっきりしているタカナリが好まれた.ホシユタカもタカナリに次いで好まれた.

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