在宅ねたきり老人の介護のモデル実験を行うことによって以下の結果が得られた.
(1) 介護作業のエネルギー代謝率は平均で4以上となった.これは, 一般の家事労働に比べ著しく大きい値である.
(2) エネルギー代謝率を寝台の高さ, すなわち作業面でみると, ベッド高65cm<ベッド高50cm<床上, となり, 在宅ではごくふつうの床上が, 最も作業負担の大きいことがわかった.
(3) 作業別にみると, 仰臥位から側臥位へ<椅子への移動<起き上がり, の順であった.
(4) 表面筋電図法によって脊柱起立筋の働きを, 各作業面にて比較すると, 作業面が低いほど腰痛の原因となる活動休止期がみられた.