1986 年 37 巻 10 号 p. 865-870
1) 小麦粉を用い, 副材料として卵, バター, 砂糖などを加えた焼き菓子中のデンプンの糊化度測定用試料の調製方法としては, 脱脂, 脱水処理を行うことにより, 安定した測定値が得られることがわかった.ただし, バターを加えない試料に関しそに脱脂処理は必要としない.
2) 今回用いた5種類の試料の糊化度は, クッキー類は10%前後の値, パウンドケーキ50%, スポンジケーキ70%, エンゼルケーキ80%台の値を示した.
3) 除タンパクの方法として (1) 水酸化ナトリウム溶液, (2) トルエソ・食塩水, (3) N, N-ジメチルホルムアミド液および (4) タンパク質分解酵素液を用いる4種を検討した結果, (1) の方法が最も優れていた.
4) 糊化度の値と, 焼きあがり直後の試料中に含まれる水分量との間には相関係数r=0.998という高い相関性が認められた.