家政学雑誌
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市販緑茶の価格と化学成分の相関
桑野 和民谷丸 恵美子酒巻 千波津久井 亜紀夫三田村 敏男
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1984 年 35 巻 9 号 p. 652-655

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抄録

デパート等でブランド名で市販されている緑茶(ブランド茶)23種, 茶専門小売店で市販されている茶(非ブランド茶)23種, 合計46種の市販緑茶(190円/100g~3,000円/100g)を試料とし, 旨味成分((1)全窒素, (2)水溶性窒素, (3)テアユン, (4)遊離アミノ酸, (5)カフェイン, (6)タンニン, (7)可溶分)を分析し, 分析値と市販価格との相関関係の検討, ブランド茶と非ブランド茶との比較等を行い, 以下の結果を得た.
1) 非ブランド茶のうち, 東京神田で求めた, 100g当り200円~3,000円の茶, 5点について上記(1)~(7)を分析し価格との相関係数を算出したところ, (1)~(5)で強い(p<0.01)正の相関が認められた.とくに(2)ではr=0.999という値であった.また(2)と(6), (7)以外の成分値の間にも強い(p<0.01)正の相関が認められた。
2) 全試料の(2)の分析値と, 価格との相関を調べたところ, やはり強い正の相関(p<0.01)が認められた。回帰直線を記した図中に, それぞれのデータをプロットすると, 一般に, ブランド茶は回帰直線の下に, 非ブランド茶は上に位置した.また, ブランド間にも差が認められた.
これらの結果から, ブランド茶よりも嗜好に合った非ブランド茶を購入するほうが賢明であることが示唆された。

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