家政学雑誌
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グリル受け皿の条件が魚肉の加熱におよぼす影響について
中里 トシ子原田 理子山崎 清子
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1980 年 31 巻 8 号 p. 609-613

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抄録

片面焼きB型, C型のガステーブルを用いて, グリル受け皿の条件の違いが魚肉の加熱時間, 内部温度, 焼き上がり重量, 硬さ, 水分などにおよぼす影響をみた. なおガス消費量も測定した.
本実験で得た事項を要約すると次のとおりである.
1) 加熱時間は受け皿にアルミ箔をしいた場合が最も短く, 水を入れた場合が最も長い.
2) 魚肉の内部温度は, B型, C型ともに受け皿に水を入れた場合には67~68℃で低く, アルミ箔をしいた場合には73℃で最も高かった.
3) 焼き上がり重量は受け皿にアルミ箔をしいた場合に最も少なく, B型では61%前後となり, C型では59%前後となった.
4) 硬さでは受け皿の条件の違いによる差は認められなかった.
5) 水分はB型, C型ともに受け皿にアルミ箔をしいた場合に最も少なく58%前後である.
6) ガス消費量は受け皿にアルミ箔をしいた場合に最も少なく, 次に受け皿のみの場合が多く, 水を入れた場合は最も多い.
7) 官能検査の結果, 外観ではB型, C型ともに受け皿にアルミ箔をしいた場合に最も好まれた.味, 硬さ, 外観を総合した評価では有意差はみられなかった.

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