日本家政学会誌
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非肥満者を対象とした不規則な生活習慣と4年後の体重増加との関連
田尻 絵里下田 誠也吉村 英一
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2020 年 71 巻 12 号 p. 749-756

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抄録

 不規則な生活習慣と4年後の体重増加の関連の検討を目的とした. 2013年と2017年の両方の人間ドック受診者のうち2013年に脳卒中, 心臓病, 慢性腎臓病を有する者を除いた20~64歳, BMI 18.5~24.9 kg/m2の9,123名を対象とした. 不規則な生活習慣は睡眠時間, 食事時間, 朝食欠食, 夜遅い食事, 夜食とした. 体重増加と不規則な生活習慣の関連は多重ロジスティック回帰分析を用いた. 従属変数を体重変化率 (≧ 4%, < 4%), 独立変数は不規則な生活習慣5項目, 共変量はModel 1は年齢, BMI, Model 2はModel 1+喫煙, 身体活動習慣, 高血圧, 糖尿病, 脂質異常症とした. 不規則な生活習慣の数と体重変化率の傾向性の検定は一元配置分散分析を行った. 共変量は多重ロジスティック回帰分析と同様とした. 体重変化≧ 4%と関連した項目は男女ともModel 1, 2で朝食欠食であった (OR[95%Cl] ; Model 1 ; 女性 : 1.58[1.22-2.04], 男性 : 1.40[1.16-1.70], Model 2 ; 女性 : 1.53[1.18-1.98], 男性 : 1.34[1.11-1.63]). 一元配置分散分析の結果, Model 1は不規則な生活習慣の数は体重変化率との間に有意な正の傾向性が観察された (女性 ; p=0.044, 男性 ; p=0.027). Model 2は, 男性のみ有意な正の傾向性が認められた (女性 ; p=0.053, 男性 ; p=0.030). 非肥満の日本人成人において朝食欠食は4年後の体重変化≧ 4%と関連が認められた. 不規則な生活習慣を多く有するほど体重変化率が大きくなる可能性が示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本家政学会
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