日本家政学会誌
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小学校高学年の児童における体力に関する因子の検討ならびに体力と骨量の関連
中岡 加奈絵野田 聖子山田 麻子富樫 有里子並木 直子五関 (曽根) 正江
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2019 年 70 巻 10 号 p. 672-683

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抄録

 都内の小学校高学年の児童172名を対象とし, 体力・骨量測定ならびに質問紙調査を行い, 体力に関する因子と体力と骨量との関連を調べた. その結果, 男女ともに体力テストの合計点数が高い群において, 学校が休みの日に身体を動かす遊びをしている者の割合が高く, 牛乳・乳製品を高頻度で摂取していることが示された. 男子については, 体力テストの合計点数が高い群において, 運動やスポーツの実施頻度が高く, 肥満傾向児の割合が低いことが示された. 女子については, 体力テストの合計点数が高い群において, 望ましいボディイメージを有している者の割合が高く, 平均運動時間が長いことが示された. また, 男女ともに, 骨量と全身持久力の指標となる「最大酸素摂取量」との間で有意な正の相関が認められた. 今後は, 体力に関する因子の因果関係についても検討を行い, 将来の生活習慣病や日常生活機能 (ADL) 低下の予防に役立つデータを提供していく必要があろう.

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© 2019 一般社団法人 日本家政学会
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