日本家政学会誌
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加水量が異なる米飯から調製した粥の性状
貝沼 やす子
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2006 年 57 巻 4 号 p. 199-207

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抄録

1) 米飯から調製する粥の物性には米飯の加水量の影響が大きく, 米飯の保存方法の影響は小さかった.
2) いずれの米飯粥も加熱時間が長くなるにつれて付着性は増加する傾向を示したが, 粥飯粒自体は軟化傾向を, おもゆを含むとかたさは増加傾向を示した.
3) 加水量の多い米飯を利用した1.7倍粥では米飯の吸水率は少なく, 分離液 (おもゆ) の粘性は小さかった. かたさ, みかけの破断応力も低い傾向にあり, 粥飯粒の外観は10分加熱ですでに過度に膨潤しており, 崩れが観察された.
4) 加水量1.5倍, 1.3倍の米飯から調製した粥は, 1.7倍粥に比較してかたさ, みかけの破断応力, 分離液の粘性は高い傾向にあり, 粥飯粒の外観は米粥に似ていた.
5) 官能検査において, いずれの米飯粥も20分加熱で米粥に近い性状であると評価された. 1.7倍米飯粥のみは20分加熱しても有意に水っぽいと評価され, 物性測定の結果に対応していた.

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© 2006 一般社団法人 日本家政学会
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