日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
安定かつ高精度な粒子法の実現に向けた密度補正機能付き粒子再配列法
白神 嘉也藤岡 秀二郎辻 勲平浅井 光輝
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2024 年 2024 巻 1 号 p. 20241007

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抄録

粒子法は分裂や合体などの激しい変形を表現するのに適しているが,粒子分布の乱れによる精度低下や数値不安定性が生じやすい.そこで,粒子分布に乱れが生じても高精度な演算を可能にとするSPH(2)が提案されている.SPH(2)は従来のSPHに比べて精度は向上するが,数値不安定性の克服にはまだ限界がある.そこで,より安定で高精度な計算のために粒子分布を直接改善する粒子再配列法の併用は避けられない.しかし,従来の粒子再配列法では長期的には体積が膨張する傾向があるため,粒子分布の均一化と体積保存を同時に改善できる新しい粒子再配置法を提案する.そのためには,提案手法を他の安定化手法との併用も重要であり,様々な安定化手法の役割を整理し,不要な項を排除することを本研究の方針としている.最後に,Rotating square patch解析とDam break解析により,提案手法の計算安定性と精度向上を示す.

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© 2024 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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